現時点での、外来でも使えるコロナの抗ウイルス薬について整理したい。
コロナ重症化防止薬「パキロビットパック」、患者からの文書での同意取得は不要だが、併用禁忌薬が多い点等を十分考慮せよ—厚労省 https://gemmed.ghc-j.com/?p=56334 2023.9.15.(金)より一部抜粋
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「COVID-19外来診療の基礎知識」では、重症化リスクの高い患者などへ薬剤を投与する場合には、下記のように「まずパキロビットパックを選択する」ことを推奨しています。
(1)【ニルマトレルビル/リトナビル】(パキロビットパック)
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(2)高度な腎機能障害または併用薬が禁忌であるためにパキロビットパックを使用できない場合には【レムデシビル】(ベクルリー点滴静注)
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(3)通院による点滴治療が困難でベクルリー点滴静注を使用できない場合には【モルヌピラビル】(ラゲブリオカプセル)
【ニルマトレルビル/リトナビル】(パキロビットパック)に関しては、「SARS-CoV-2による感染症の症状が発現してから速やかに投与を開始すること。臨床試験において、症状発現から6日目以降に投与を開始した患者における有効性を裏付けるデータは得られていない。」とされ、製品として、現在パキロビッド®パック600、パキロビッド®パック300が用意されている。用法及び用量は「① 通常、成人及び12歳以上かつ体重40kg以上の小児には、ニルマトレルビルとして1回300mg及びリトナビルとして1回100mgを同時に1日2回、5日間経口投与する。」と、なっているが、用法及び用量に関連する注意として「②中等度の腎機能障害患者(eGFR[推算糸球体ろ過量]30mL/min以上60mL/min未満)には、ニルマトレルビルとして1回150mg及びリトナビルとして1回100mgを同時に1日2回、5日間経口投与すること。重度の腎機能障害患者(eGFR 30mL/min未満)への投与は推奨しない。」とされている。したがって、中等度の腎機能障害患者が多い、高齢者施設などではニルマトレルビルとして1回150mgになっているパキロビッド®パック300の準備が想定される。併用禁忌薬が多いが、内服は5日間であり、事前に定期薬を確認し場合によっては定期薬の一部を休薬し、パキロビットを優先するケースもあり得るであろう。また重症化リスクが低い基礎疾患のない職員などの場合は「エンシトレルビル・フマル酸」(販売名:ゾコーバ錠125mg)が適応されるであろう。
なお、新型コロナウイルス感染症治療薬について、2023年9月までは患者自己負担はゼロであったが、10月からは「1割負担患者は3000円、2割負担患者は6000円、3割負担患者は9000円を上限として薬剤費の一定程度の負担を求める」こととなっている。
新型コロナ治療薬、10月から3000-9000円の患者負担が発生する点を国民・医療従事者等に周知せよ—厚労省 https://gemmed.ghc-j.com/?p=56500 2023.9.26.(火)より一部抜粋
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