▶ 承認は自己効力感を高める
▶ 承認の種類には「存在承認」「行動承認」「成果承認」「成長承認」がある
▶ 客観的事実には「You メッセージ」、主観的事実には「Iメッセージ」を用いる
▶ 望ましい行動に対しては、タイミングよく承認する
コーチングを利用した糖尿病栄養看護外来-行動変容を促すスキルを身につける
・承認されることで人は喜びを覚える。また自己効力感が上昇する。承認とは、相手に気づき、理解、感謝などを伝えるものである
・承認と相手を褒めることはよく似ているが若干異なる部分もある。褒めることは、相手の評価が加わる。患者の中には、自分がそうなりたいという目標設定ではなく、医療者を喜ばせるための目標設定を行うようなことになってしまうこともある。これでは主体的な行動とは言えない
・承認を伝えるために活用する方法として、客観的事実を伝える「You メッセージ」と主観的事実を伝える「I メッセージ」がある。You メッセージは相手の変化や成長を客観的な視点で伝えるのに有効である。例えば「目標を達成しましたね」「食事療法を頑張っていますね」などがある。一方、I メッセージは「あなたは私にこのような影響を与えている」という主観的な伝え方である。例えば「私はあなたが熱心に取り組んでくれるのが嬉しい」「食事療法への取り組みに私は本当に感心しました」などがある
・You メッセージの「あなたは〇〇〇ですね」に評価的な側面が含まれると、相手から誤解される場合がある。何を根拠にそのようなことを言うのだろう、良い or 悪いで評価されている、などである。一方、I メッセージは「私はこのように思った」という主体的事実などで、相手から誤解されていることが少ない。そのため、「I メッセージで承認する」という方法がコーチングではよく用いられる
・先日、当院でもI メッセージを上手に使っているスタッフがいて本当に感心した。いつも素敵な装いで来られる方がいる。毎回、そのことを言う(You メッセージ)とその方にも居心地が悪いかなと私は思って、毎回は言わないようにしている。しかし、本当に素敵なのである。スタッフも本心から思っているのであろう。その患者さんが、私の診察が終わってから、わざわざそのスタッフの所に行き、「毎回毎回、装いのことを言われるのは恥ずかしい。あまり言われたくない」と言われたが、スタッフは咄嗟に「わたしは○○さんのような装いがしたくても出来ないので、いつも参考にしてもらっている。本当に素敵です。真似したい」とI メッセージで伝えたのだ。いつもニコニコしてクリニックに来られるのだが、更にニコニコして帰られたのだから、I メッセージは凄い効果があるなと思ったのと同時にスタッフも本心から思っていて、それがポロッと自然にでるところがまた嬉しかった出来事であった
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