2025年7月24日 20:04(7月25日 16:42更新)
札幌市清田区の民間10病院が28日から、病院や区内の公共施設、商業施設などを結ぶ予約制の無料デマンドバスを運行する。昨年度は病院間のみの運行だったが、利便性向上を図り、病院以外の停留所20カ所を新設する。清田区にはJRや地下鉄の駅がなく、路線バスは運転手不足で減便が相次ぐ。病院側は将来的に「清田区民の足」として住民生活を支える役割も目指している。
昨年8月~今年1月に区内の札幌美しが丘脳神経外科など9病院が「きよっちメディカルバス」の愛称で実証運行した。1日で複数の病院を回り、総合病院のように利用してもらう狙いだったが、移動が病院間に限られていることもあって乗客は1日数人程度、延べ約120人にとどまった。
病院側は「交通の利便性低下が続けば地域が衰退し、患者減に直結する」と懸念。本年度は札幌里塚病院も参加し、停留所に公共施設やイオン、セイコーマート、ツルハドラッグ、飲食店も加え、通院と合わせた買い物や行政手続きを可能にする。外出を促すことで健康増進効果も期待する。
利用の条件は乗降地のどちらかを病院とすること。スマートフォンや病院受け付けで予約でき、人工知能(AI)が効率的なルートを導き出す。事業費約2600万円のうち3分の2は国土交通省の交通サービスの補助金を充て、残りは病院側が負担。運行は来年1月末まで。
2026年度以降は病院以外にも運行主体への参加を呼びかけ、区内施設を循環する形式も模索する。中心的役割を果たす札幌美しが丘脳神経外科の高橋明理事長は「市や企業、団体の協力も得て、地域の足を守る方法を考えたい」と話す。
北海道新聞よりシェアしました。 https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1190573/
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