救急車「30人待ち」、搬送まで4時間 インフル猛威、札幌で出動急増 緊急性高い患者に影響も

2025年1月14日 21:56(1月14日 21:59更新)


 札幌市のインフルエンザ患者数が過去最多を更新する中、同市内で救急車の出動が急増している。昨年12月の救急車の出動件数は1万1690件(速報値)で、同月の過去最多を更新。全ての救急車が出動して「30人待ち」となる例や、医療機関に外来の患者が殺到し、搬送先が見つかるまで4時間以上かかる事態も発生している。緊急性の高い患者の救急搬送に影響が出かねない状況で、市消防局は適切な救急車の利用を呼びかけている。

 「高熱で動けない」。札幌市内で今月4日、インフルエンザ疑いの119番が相次いだ。消防局の救急車36台が全て出払い、到着を待つ患者は最大で30人超に。軽症者や家族のいる人に「タクシーで病院へ行く方が早い」と案内することもあったという。

 救急要請は、市がインフルエンザ警報を発令した昨年12月の中旬ごろから急増。市内の医療機関で昨年12月23~29日に行ったインフルエンザの定点調査では、1医療機関当たりの患者数が76.26人となり、現在の統計を取り始めた1999年以降で最多を更新した。

 北海道内では、インフルエンザのほか、新型コロナウイルスとマイコプラズマ肺炎も同時流行中。年末年始は大半の医療機関が休診したため、休日当番の外来診療に患者が殺到し、搬送先がなかなか見つからない事案も相次いだ。

 昨年12月30日から今月5日までの1週間で、市消防局の救急隊が搬送先として照会した医療機関から4回以上断られ、現場に30分以上とどまる「救急搬送困難事案」は、普段の約5倍にあたる266件発生。今月上旬には救急隊が医療機関に36回照会し、搬送開始まで4時間以上かかる事例もあった。

 市内で発熱外来を受け付ける医療機関によると、現在も平日の診療は30人以上の患者が待つ日もあるという。担当者は「病院はパンク状態で、特に休日は重症の患者から優先して受け入れざるを得ない」と明かす。

 市消防局救急課の担当者は「冬休み明けに、感染症がさらに拡大する懸念もあり、警戒が必要」と指摘。救急出動の約半数は、入院が不要で緊急性の低い要請だとし、救急車の利用を迷った際は「救急安心センターさっぽろ」(#7119)や「小児救急電話相談」(#8000)での確認を呼びかけている。


北海道新聞よりシェアしました  https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1110910/

しのろ駅前医院

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